「幸せ」の意味を考える〜フロントランナー:理容師 國分祐太氏

今年度2回目のフロントランナー劇場は、理容師の國分祐太氏をお招きしました。

そして今回は、一ツ星開校以来の夢が実現しました!ついに!卒業生が一ツ星のフロントランナーに登場です!

國分氏とのご縁は、一ツ星卒業生が繋いでくれました。卒業生が進学した「湘南ビューティーカレッジ」で担任としていらしたのが國分氏でした。

湘南ビューティーカレッジについてのご紹介はこちら。

湘南ビューティーカレッジは、神奈川県平塚市にある理容師・美容師を養成する専門学校で、ヘアスタイリストとして全日本チャンピオン、アジア大会チャンピオン、世界大会チャンピオンを獲得した経歴を持つ井出隆夫氏が学校長を務めておられ、人材育成に力を入れております。

ちなみに井出氏は2023年度全国少年補導功労者表彰の栄誉銀章を受賞されるなど、地域活動においてもご活躍されております。

そんなご縁があり、初めは生徒の様子や学校についてお伺いしているうちに、國分氏の言葉の一つ一つから、これまで理容のプロとして、そして、一人の人間として、様々な経験を通して育まれてきた信念や生き様が見えてきました。

それは、理容・美容といった職業の枠だけでなく、これまで誠実に「生きていく」ということに真摯に向き合ってこられた國分氏だからこその姿でした。

今回、國分氏には、ぜひその生き方についてお話いただきたい、とリクエストをしました。その思いに応える形で一ツ星生のために考えてくださった講座のタイトルは「私の失敗」。國分氏が最初に生徒に語りかけたのは以下の言葉でした。

「幸せって何だと思いますか。 私にとっては、何気ない日々、その毎日の積み重ねだと思います。」

福島出身で、成功も失敗も重ねた学生時代を経て理容の道に進んだ國分氏ですが、2011年東日本大震災がきっかけで、のちに「大きな失敗」だったと後悔する出来事が起こります。それは、決して國分氏が悪いわけではありません。ただ、その時の状況において選んだことが悲しい結果につながってしまいました。

それでも、國分氏は迷いながらも進み続けます。その後も、失敗や成功を繰り返し、その度に、立ち止まり、自分の足元を確認しながら少しずつ進んで来られました。多くの信頼できる方々との出会いがあり、理容師として指名NO.1を獲得したり、コンテストで入賞したりと着実に実力をつけていきました。

自分にできることは何か、あるいは自分に足りないものは何か。成功も、失敗も、全てをまっすぐ受け止めてきたからこそ、未来の自分を信じて一歩一歩進む大切さを知っています。

そして、成功も失敗も、全てがあったからこそ今の奥様と子どもたちに会えたこと、夢だった仕事につけたこと、念願のマイホームも購入できたことなどなど。全ての失敗が今の成功に繋がっている、そして、冒頭の言葉、「細やかな毎日を大事にすることが私にとっての幸せ」という思いに至っているそうです。

世間的に評価を得ることや物質的な欲求を満たすことではなく、今あるものの尊さを感じ大事にすることも幸せの形の一つではないかとお話ししてくださいました。

そして最後には、「成功も失敗も気にせずとにかく挑戦してみよう!」と強く優しく生徒の背中を押してくれました。國分氏のリアルな声は、多くの生徒たちの心を動かした様でした。

後半には、いよいよ卒業生の出番です。講座開始直後より、教室の隅で技術の練習風景を実演していた卒業生。

実は先月、この技術を競う大会で神奈川県5位を受賞したとのこと!そして、本日は、國分氏の指導の元、来月に行われる関東大会に向けて、多くの人に見られながらベストを尽くす練習を兼ねての実演だそうです。

目の前で高い技術を実際に目にした一ツ星星たちは、大興奮!その卒業生の成長の姿に、職員は涙…。ちなみに、来春からの就職先も、もう決まっているそうです。おめでとう!

そんなご報告も含めて、一ツ星職員としてはこれ以上ない位嬉しい時間でした。

最後には理容技術の体験もさせてくださいました!

國分氏のお話し、そして卒業生の頑張る姿は、一ツ星生にとって今後の人生において大きな励みとなることと思います。

素晴らしい時間をありがとうございました!