なぜ学ぶ?どんな意味があり、どう役に立つ? 高校生だからこそ、「なぜ?」を大切にする学習

一年生の数学では、三角比(数学Ⅰ)の授業を進めています。

三角比ってなんだっけ?と思われる方が多いと思いますが、sin(サイン)、cos(コサイン)、tan(タンジェント)のあれです!数学なのに、英語という違和感満載のあれです!なんとなく記憶に残っている方いらっしゃるのではないでしょうか?

あ~、なんとなく思い出した!でも、あの辺から数学は全然分からなかった!習って以来、使った試しがない!と、叫ばれがちな三角比ですが、そもそもなんのため考え出されたのでしょうか?

古代ギリシャでは、立てた棒の影の長さから太陽の高度(角度)を求めていました。太陽の高度を知るということは、日照時間や日の出の時刻と関係が深く、当時の生活の上でとても重要でした。

つまり、三角比は、”測量”のための存在だったのです。

他にも、ピラミッドの高さを計算したり、地球の半径を求めたり、月までの距離を求めていました。何万年も前の人々が、そんなスケールの大きな事を考えていたなんて、驚きですね。

わが日本でも、江戸時代に、55歳から!17年もかけて!日本各地を毎日40㎞も歩いて測量し、正確な日本地図を作りあげた伊能忠敬は、まさに三角比を使って作りました。間違いなくたくさんの苦労苦悩があったことだろうと思うと もう涙が止まりません!そして、それを支えた三角比、壮大なロマンを感じますね~!学びたくなりますね!

しかし、三角比、私たちにはどんな関係があるのでしょうか?現代の私たちが勉強する意味なんてあるのでしょうか?

いやいや、三角比、今も立派に現役で大活躍です!

例えば、飛行機のパイロットは、着陸時に滑走路に何度の角度で向かえばいいのか、毎回三角比で算出していますし、

ビルや道路を作るときやソーラーパネルの設置(太陽光を垂直に受けるように設置する)、

病院の検査機器(エコーやCT、MRI)などにも使われています。

また、あのチームラボのボーダレスなどでも有名な自然界の動きをプログラミングしてデジタルで表現する時などにも使われているんです。

ほんっとうに今も三角比なくしては、私たちの生活を語れませんね!そう分かってから三角比を見てみると、親しみが湧いてきませんか?

そして、stay homeのこの年末年始にオススメな超大作DAS BOOT(1981年)

この潜水艦の映画の中でも、魚雷の方向決めに三角比が使われていると考えられます。狭い潜水艦の中で、何十日間も男50人での生活(トイレは1つ!)、普段は体験することがない超閉鎖的空間生活を実感できます。コロナで生活が制限され、息苦しさを感じるこのご時世ですが、この映画を見たら、今の生活でも十分幸せに感じられます。よろしければ、ぜひご覧ください。

このように 本学院では、ただ教科書通りに内容を進めるだけでなく、生徒たちに何の為にこの勉強をする、どんな未来につながっていて、役に立つ勉強をするのか、といったことを熱く説きながら(もちろん希望がない場合は、割愛することもありますが笑)、学びを進めています。結局、孔子の「是を知る者は是を好む者に如かず。是を好む者は是を楽しむ者に如かず。」の通り、それぞれが学びの面白さに気づき、自ら夢中で学び続ける人には誰も敵わない、と思うので、生徒の向上心に火をつけること、これを大切にしています。

理数科 津崎